間をおく


なにか楽しいことをしたら、脳内にドーパミン等の脳内麻薬とよばれる物質がでてくる。というか、それらがでてきて、楽しいとなる。

で、それに飽き足らず、次なる快感や刺激を探しに行く。

日常でもこうしたことがおこっている。酒であるとか、ゲームであるとか、SNSであるとか、依存症と名がつけられるものはたぶん、全部その傾向があるわけだ。

必要なことは次の刺激ではなくて、時間をおいて、前の刺激を忘れることだ。そうすれば、何回もその刺激が楽しめるはずだ。

要するに、ハレとケの感覚、日常と非日常のバランスが大事なのだ。美味しいものはたまに食べるから美味しいのである。普段は質素な刺激のないものに接するのがよい。

間をおくことが必要なのだが、最近は便利になりすぎて間をおけないのだ。SNSがその代表である。あるいはデジタルで音楽や映画をみるのも、簡単すぎてよくない。

データで音楽をきくよりもCDで聞いた方がいいということに気がついた。音が云々という話ではない。CDだと選曲が面倒だし、1枚いれたら聞きっぱなし。そして、終了したら止まってしまう。新しい音楽を聞こうと思ったら、CDをいれかえなければならない。この作業と時間が必要になってくる。プレイリストなどという便利なものもつくれないのだ。

この不便さが、人によってはいいものだったりする。映画だと昔は映画館にいくか、レンタルビデオで借りるか、テレビ放送で見るかだった。ビデオに録画でもいいが。今は動画が簡単に見れてしまうし、映画も簡単だ。

必要なのはローテクなのだ。ハイテクでも適度につきあう姿勢が必要だろう。