デジタルの問題その1


デジタルとはなにか?0と1の世界である。実際には0と1の世界というのありえない。リアルワールドにはないのだ。どういうことかというと、半導体というやつが、この0と1を生み出している。0-1まで小数点の世界があったとき1に近いものを1に0に近いものを1にしているというわけだ。この性質を利用して、コンピュータが生み出された。

リアルなものはどんなものでも朽ちていく。完璧なものなぞ存在しない。しかし、デジタルの核心は情報なのであって、これは確実に保存できる。実際にはコピーをつくることで情報が永遠と残ることができる。リアルデバイスが朽ちようと、データだけを新しいデバイスにコピーできれば情報は保存できる。

逆に、それまでは情報とリアルはくっついていたのだ。レコードはそういうものだった。ある音楽が入ったレコードが出て、それが素晴らしいとなったら、レコードの生産した分だけが売れた。そこにしか情報が存在しなかった。しかもコピーは変質をともなっていたのだ。これがリアルなのだ。厳密な意味では同じものは二度と作れない。

こういう性質の違いがもたらすものは、リアルには価値があって、情報は無価値であるということだ。なぜなら情報はコピーできるからである。価値というのは供給量で決まってくるのだ。デジタルデータはいつでも供給量を増やせるし、ストリーミングになったらそれは無限大に達している。よって価値は限りなく0に近づくことを意味している。

これが問題その1。